ステップメール、メルマガを配信できるMailpoet3の設定方法
イッティの制作・マーケティング担当のMです。ECサイトの運営にとってプッシュ型のセールができるメールマガジンはとても重要です。
今回はステップメール機能も備えたWordPressのメールマガジンプラグイン「Mailpoet3」の設定方法を詳しく解説します。
MailPoet3の機能とデメリット
MailPoet3は無料でも使える機能が豊富です。
操作も非常に簡単で優れたメール配信プラグインです。
4つのメール配信機能
MailPoet3には4つのメール配信機能があります。
- ニュースレター
一般的なメールマガジンで、予約配信、配信ユーザーの選択も可能です。 - 最新の投稿通知
記事の投稿後、または設定したサイクルで自動的にメールマガジンを配信します。 - 自動化
高度なステップメールを作成することができます。 - 再エンゲージメントメール
一定期間メールマガジンを開封していないユーザーに対して配信できます。未開封期間の設定や自動化も可能です。
MailPoetのメルマガ配信方法は下記ページで説明しています。
MailPoetメルマガ配信方法
購読者の分類(セグメント)機能
さらにメルマガ購読者を分類できる「セグメント機能」があります。
セグメント機能を使うと、例えば「メルマガ未開封者」と「メルマガ開封者」に分けて、メルマガ未開封者へ開封を促すメールを配信することもできます。
セグメント機能の使い方は下記ページで説明しています。
MailPoetのセグメント機能の使い方
リストとセグメントの違い
どちらも読者の分類になりますが、役割が異なります。
リスト
メールアドレスのグループをまとめる機能です。
例えば「仕入先業者」「購入企業」などのリストにユーザーを分類して、それぞれにメールを配信することができます。
セグメント
特定の条件に基づいてメルマガ購読者をさらに絞り込むための機能です。
セグメントを使うことで、メルマガ購読者を属性や行動に基づいて分類し、ターゲットを絞ったメール配信が可能になります。
例えば、製品を購入したユーザーや、メルマガ開封率が高いユーザーなどをセグメントしてメールを配信できます。
リストは大枠のグルーピングとなり、セグメントはより精密なターゲティングに役立ちます。また、セグメントはリストを横断して設定することも可能です。
MailPoetのデメリット
- 他のプラグインとコンフリクトを起こして、不具合が出てしまう機能もあります。
- メルマガ購読者はメールアドレスを変更することができない。
メールアドレスを変更するには、一旦、購読を解除して再購読する必要があります。 - MailPoetのメール配信サーバーを利用すると、メルマガ登録が承認方式になる。
MailPoetの操作メニュー
MailPoet3の操作メニューは下記になります。
メール | 配信するメールを作成できます | |
自動化 | 自動化(ステップメール)を作成できます | |
フォーム | メールアドレス購読用のフォームを作成できます | |
購読者 | 購読者の一覧を表示。 購読中止や休止中などのメール設定などができます |
|
リスト | 購読者をグループ分けするためのリストを作成できます | |
セグメント | セグメントを作成できます | |
設定 | 各種設定ができます |
最も使うメニューは「メール」です。
あとはユーザーを管理する「購読者」「リスト」を使うことがあります。
「メール」「購読者」「リスト」だけを使うので、操作はとても簡単ですね。
MailPoet3の設定からページ設置までの流れ
MailPoet3の設定から購読フォームなどのページ設置の流れは下記になります。
- メルマガリストの作成
- MailPoetの設定、DNSの設定
- メルマガ購読フォームの作成
- メルマガ購読フォームの表示
- メルマガ停止・承認ページの作成
以上となります。
(5)は固定ページを使って用意するのですが、ウィジェットを利用したり、singleページを利用することもできます。
リストを作成
リストとは、購読者のリストのことです。
例えば、メルマガの読者とステップメールの読者には、それぞれ違うメールを配信したいと思うでしょう。
その場合は下記の2つのリストを作成します。
「メルマガ向け読者」のリスト
「ステップメール向け読者」のリスト
これで、これでメルマガ読者とステップメール読者、それぞれに最適なメールを配信することができます。
それでは設定を進めてみましょう。
まずはメニューの「リスト」を選択します。するとすでにダミーのリストが3つ用意されています。
新しいリストを作成せずに「私の最初のリスト」を修正して使ってみます。
リストの名称や説明を修正して「保存」します。
これでリストの設定は完了です。
続いてMailPoetの設定を行います。
MailPoetの設定、DNSの設定
メニューの「設定」を選択して、基本設定や認証設定をおこなっていきます。
基本設定
メルマガの配信者や開封率を測定できる設定などを行います。
デフォルトの送信者
送信先(From)と返信先(Reply-to)の「名称」「メールアドレス」を記入します。
一般的には企業名や屋号、メールマガジンのメールを記入します。
コメントで購読申込み
ブログのコメント欄にメルマガ購読のチェックボックスを表示させることができます。
ブログ記事でコメント欄をオープンにされている場合はチェックしても良いでしょう。
登録フォームで購読
WooCommerceなどのECサイトや、会員サイトなど、WordPressへの登録が可能なウェブサイトの場合に利用します。
サブスクリプション管理ページ
サブスクリプション管理ページとは、購読者がメルマガの配信を停止することができるページのことです。
デフォルトでは「MailPoetページ」となり、Singleページを利用してサブスクリプションページが表示されます。固定ページを利用して表示することもできます。
この段階では「MailPoetページ」にしておきます。
購読中止ページ
「承認ページ」と「成功ページ」の設定があります。
「承認ページ」とは、ユーザーがメルマガの購読を止める時に「本当に解除しますか?」と最終確認するページになります。
「成功ページ」となっていますが、ユーザーがメルマガの購読を止めた時に表示されるページのことです。つまり「購読中止が成功したページ」のことです。
デフォルトでは「MailPoetページ」となり、Singleページを利用して承認、成功ページが表示されます。固定ページを利用して表示することもできます。
この段階では「MailPoetページ」にしておきます。
再エンゲージメントページ
再エンゲージメントのメールを送信し、誘導するページになります。最エンゲージメントメールを利用しない場合は「MailPoetページ」の選択で良いでしょう。
再エンゲージメント・メールを利用する場合は、固定ページを作成した方が良いでしょう。
購読者がメールを長期間開封していない場合や、メールとのインタラクションが少なくなった場合に、関係を再構築するためのページになります。
読者に向けた特別なメッセージやキャッチコピー、限定クーポンや、無料のダウンロード資料、アンケートなど、再びエンゲージメントを構築できる内容をページにします。
統計通知
配信したメールマガジンの統計情報を受け取ることができます。
例えば「ニュースレター」、「最新の投稿通知」を利用している場合は、ニュースレターと投稿通知にチェックすると、メールマガジンの統計通知を受け取ることができます。
ようこそメールと WooCommerce メールは、新規登録者へ送信されるウェルカムメールの統計と、WooCommerceと連携して配信されるメールの統計を受け取ることができます。
それぞれ、利用しているメールマガジンの配信に合わせてチェックすると良いでしょう。
統計データについては、無料版のMailPoetでは、開封率とクリック率の統計データを確認できます。
有料版では、バウンス率(配信失敗)、購読解除率、デバイスごとの開封率、スパム報告率など、より高度な統計データを取得することが可能です。
新しい加入者の通知
ユーザーがメルマガを購読すると、通知してくれます。
アーカイブページのショートコード
過去のメルマガをリスト表示させることができます。
購読者の合計を表示するためのショートコード
メルマガの読者数を表示させることができます。
購読者数が多い場合は読者数を表示させるとアピールすることができます。
サインアップ承認
ユーザーのメールマガジン登録の承認(オプトイン)方法を設定できます。
サインアップ承認を有効にする
メールマガジンをMailPoetのサーバーから配信する場合は、オプトインが必須となりますので変更はできません。
次の「送信方法」の設定で、メールマガジンの配信をMailPoet以外のサーバーを利用した場合は、オプトインの「はい」「いいえ」を選択することができます。
「はい」を設定した場合、ユーザーがメルマガの購読後に、メールで本登録する「ダブルオプトイン方式」の設定が可能になります。
「いいえ」を設定した場合、メルマガ購読だけで本登録されます。
視覚的な購読の確認メールを有効にする
オプトインの承認確認メールをグラフィカルなHTMLメールで配信することができます。
グラフィカルにしすぎると承認メールであることが分からない場合もあるため、シンプルな承認メールをおすすめします。
承認ページ
デフォルトでは「MailPoetページ」となり、Singleページを利用して承認ページが表示されます。
固定ページを利用して表示させることもできます。この段階ではデフォルトの「MailPoetページ」にしておきます。
送信方法
メルマガの配信方法をMailPoetの配信サービスを利用するか?独自の配信サービスを利用するかを設定できます。
MailPoet送信サービス
「MailPoet送信サービス」は500ユーザー、1ヶ月1,500通までは無料で利用できます。配信サーバやメルマガの分析もできるため、MailPoetのアカウントを登録してMailPoetの送信サービスを利用した方が良いでしょう。
その他
独自の配信方法でメールマガジンを配信する場合は「その他」を選択します。
ウェブサイトのサーバを利用してメルマガを配信すると、サーバやドメインがスパムのブラックリストに掲載されてしまうことがあります。
通常はMailPoetの配信サービス、またはメールマガジン配信用のメールサーバを利用するのが一般的です。
メールサーバや、Amazon SESなどをメルマガ配信サーバとして設定することができます。
WooCommerce
ECプラグイン「WooCommerce」と連動させることができます。
※WooCommerceを導入していない場合は表示されません。
MailPoet を使用して WooCommerce メールをカスタマイズする
商品を購入したユーザーに送信される新規登録、注文、注文完了、注文メモのメールをカスタマイズすることができます。
Opt-in on checkout
WooCommerceの支払い画面に「メルマガ登録」のチェックボックスを追加することができます。登録先のリストも設定可能です。
Checkbox opt-in message
メールマガジン登録のチェックボックスに表示されるキャッチコピーを表示できます。
Checkbox opt-in position
メールマガジン登録のチェックボックスを表示する位置を選択できます。
例えば「aftter billing info」を選択すると、支払い情報の下にメールマガジン登録のチェックボックスを表示できます。
WooCommerce の古い顧客を購読
過去の購入者もメールマガジン読者に登録する場合はチェックします。
高度な設定
基本設定とは違った少しテクニカルな設定を行います
バウンスメール
メールマガジン配信エラーとなったメールを受け取るメールアドレスを記入します。エラーメールを把握するため、エラーメール受信用のメールアドレスを用意した方が良いでしょう。
MailPoetは3~5回、メール配信エラーとなったメールアドレスを自動的に削除します。
ニュースレタースケジューラー
キューの設定になります。設定によってはサーバのCPUに負担がかかります。
推奨されている「Wordpress組み込みcron」が最もCPU負担は軽くなります。
役割とアクセス許可
プラグイン「Menbers」をインストールすることで、管理権限を細かく設定することができます。
エンゲージメント分析のトラッキング
Cookieの取り扱いになります。ウェブサイトの個人情報のポリシーに従って適宜設定して下さい。
すべてのサイトのメールを送信
通常は「デフォルトの WordPress 送信方法(デフォルト)」を選択します。
会員サイトやECサイトなど、ウェブサイトからメールを頻繁に送信する場合は「現在の送信方法 - MailPoet Sending Service」の利用も良いでしょう。
購読者スコアの再計算
初期設定の際には不要ですが、定期的に購読者スコアの「アップデート」を行うのが良いでしょう。
購読者スコアは、各購読者がどれだけメールを開封したりクリックしたりしたかなどのアクティビティを基に、購読者のエンゲージメントレベルを数値化したものです。
アップデートすることで、MailPoetが全購読者のスコアを最新のアクティビティデータに基づいて再計算します。
再計算を行うことで、購読者の最新のエンゲージメント状況を反映し、ターゲティングやセグメンテーションを最適化できます。例えば、アクティブな購読者に特定のオファーを送る場合や、非アクティブな購読者に再エンゲージメントキャンペーンを実施する際などに役立ちます。
定期的に使用することで、購読者リストの品質を保ち、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
非アクティブな購読者への送信を中止する
メルマガを配信しても送信エラーとなるユーザーの配信を自動的に停止することができます。
設定する期間はメルマガの配信頻度に合わせて適宜設定します。
例えば、頻繁にメルマガを配信する場合は「3ヶ月後」に設定します。
匿名データの共有
MailPoetにデータの一部を提供することになります。
「いいえ」で良いです。
サードパーティライブラリをロードする
メールのエディターにGoogleFontsを利用する際や、 DocsBot AIにヘルプを尋ねたい場合は「はい」を選択します。
フォームをスパムサインアップから保護する
スパム行為を防ぐことができる「reCAPTCHA」をメルマガ購読に利用することができます。
最初からインストールし直し
MailPoetで不具合が発生し、改善されない場合の最終手段して利用できます。
ロギング
通常は「エラーのみ」で良いでしょう。
キーアクティベーション
MailPoetのメール配信サービスを利用する場合は、アクティベーションキーが必要となります。
アクティベーションキーはMailPoetのアカウントを登録することで発行されます。
発行されたアクティベーションキーを入力すると認証されます。
DNSの設定
MailPoetのメール配信サービスを利用する場合、サーバーでドメインのDNS設定を変更することで、メールがスパムとマークされるリスクを減らすことができます。
設定は必須ではありませんが、できれば設定した方が良いでしょう。
MailPoetに登録し「My Sender Domeins」に、設定するDNSの情報が記載されています。
このDNSの情報をサーバーのDNSに設定します。
以上でMailPoet3の設定は完了です。
続けてメルマガ購読フォーム作成を進めていきます。
メルマガ購読フォームの作成
メルマガ購読用のフォームを作成します。
メニューから「フォーム」を選択して、新しいフォームを作成します。
すでに用意されているフォームは削除しても構いません。
メルマガ購読フォームの作成方法は、ブロックエディタの操作となっています。
「設定」には「フォームの名称」「リスト」を設定します。
さらに、メルマガ購読後に完了ページに遷移させるか?それともメッセージだけを表示させるかを設定します。
「ページに移動」を選択した場合は、固定ページで「完了ページ」を用意しておく必要があります。
入力フォームを追加していきます。
追加する入力欄をクリックして、ラベルや必須かを設定していきます。
「フォームの配置」を設定すると、メルマガフォームをフッター固定や、スライドインなどで表示することも可能です。
「プレビュー」機能を使うと「フォーム」を確認することができます。
「プレビュー」ではポップアップやスライドイン、スマートフォンでの表示なども確認することができます。
メルマガ購読フォームが完成したら「保存」をクリックして完了です。
続いて、作成したメルマガ購読フォームを設置してみましょう。
メルマガ購読・解除・承認ページの設置方法
最後の作業はメルマガの購読や解除ができるページを用意します。
ウィジェットを利用して表示させることもできます。
メルマガ購読ページの作成
メルマガを購読するフォームを表示させる方法は「ウィジェット」を使って表示させる方法と「ショートコード」を使って表示させる方法があります。
ウィジェットを使ってメルマガ購読フォームを表示する方法
メニューの「外観」→「ウィジェット」で「MailPoet3フォーム」で、メルマガ購読フォームを表示させるウィジェットを選択できます。
サイドバーや、フッター等にメルマガ購読フォームを表示させることができます。
固定ページでメルマガ購読ページを用意する方法
ショートコードを利用して、固定ページにメルマガ購読フォームを表示させることができます。
下記がショートコードになります。
PHP
[mailpoet_form id="1"]
直接テンプレートにショートコードを記載する場合は下記の方法があります。
PHP
<?php echo do_shortcode('[mailpoet_form id="1"]'); ?>
メルマガ購読フォームは下記のように表示されます。デザインはCSSで調整しています。
簡単にメルマガ購読フォームが設置できましたね。
この要領で、他の固定ページを作成していきます。
MailPoetの固定ページ一覧
MailPoetに利用される固定ページは下記があります。
- 購読ページ:購読フォームを設置したページ
- 購読完了ページ:メルマガ購読ボタンを押した後に遷移する完了ページ
- サブスクリプション管理ページ:購読者がメルマガを停止を行うページ
- 承認ページ:メルマガ停止ボタンを押した後に遷移するページ。メルマガを本当に停止するかを再確認するページ。
- 成功ページ:メルマガ停止を承認した後に遷移するページ。つまりメルマガ停止が成功したというページ。
以上5ページになります。
※MailPoetの日本語訳がおかしいので注意してください。
各ページのショートコード一覧
固定ページ | ショートコード |
---|---|
購読ページ | mailpoet_form id="●" |
購読完了ページ | ショートコードはありません。固定ページを選択するだけです。 |
サブスクリプション管理ページ | mailpoet_manage_subscription |
承認ページ | mailpoet_page |
成功ページ | mailpoet_manage text="誤って配信停止された場合は、こちらから再配信できます" |
ショートコードは大括弧[ ]で挟む必要があるので気を付けてください。
MailPoetの設定と固定ページの作成方法
サンプルとして、サブスクリプション管理ページを固定ページにしてみます。
まずサブスクリプション管理ページとなる固定ページを新たに作成して、ショートコードを記載して公開します。
shortcode
[mailpoet_manage_subscription]
MailPoetの「基本設定」のサブスクリプション管理ページのテンプレートを「MailPoetページ」から、固定ページに変更します。
プレビューをクリックすると、別ウインドウで確認できます。
この作業を繰り返し、MailPoetのページを用意していきます。
または「MailPoetページ」のままでSingleページをカスタマイズする方法もあります。
以上でMailPoetの設定が完了してメルマガを配信する準備が整いました。
MailPoetの設置の代行から配信方法のレクチャーも行っておりますので、お気軽にご相談ください。